444

「･･･いったい、なにがあったんでしょうか？」

ハンカチで目を押さえながら、弘樹の母親らしき女性が尋ねられるが、誰も答えられない。


本当になにが起こったのだろう？

弘樹は急に何かにおびえて、床で苦しんで意識を失った。

窒息、ってことは何かがのどにでもつまったのだろうか？

でも･･･444の数字。

本当に“偶然”で済ませていいのかな･･･？


誰もが黙ったまま、椅子に座って時間をすごした。


どれくらい時間がたったのだろうか。

ＩＣＵの自動ドアが機械音をさせて開くと、中から医者と思われる男性と看護師が出てきた。

医者は眉間にしわを寄せている。

皆が、バラバラと立ち上がる。