『美しき最強の彼女』



耳を澄まして樹波の声を聞いているとハッキリ聞こえたのは……



「ごめんなさい。」だった。




……樹波。辛いことがあったんだね。



ごめんね。



流夜「…樹波。大丈夫、私は何もしないよ?」



ーーギュッ



私はそう言い、樹波を抱きしめた。




樹「…ぁ、ぁ、は、なせ……はなせよ!」

流夜「……。」




……樹波…力入ってないよ。

そんなに怯えて何が怖いの?



流夜「…私は貴方を離さない。樹波、何があったの?……私には…言えない?」



無意識のうちに私は口にしていた。



貴方を救ってあげたい。

少しでもいいから楽にしてあげたい。



その一心だった。





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