僕のonly princess
その日の放課後、俺はHRが終わった瞬間に教室を飛び出した。
俺のその勢いにまだ教団の上にいた木田先生や吾郎を除く、他のクラスメート達が驚いている様子が目の端に移ったが、そんなことに気を取られている余裕は俺にはない。
HRが終わった直後で、まだ廊下には誰も出てきていない。
そこを俺は一気に駆け抜けて、靴を履きかえるのももどかしいほど慌てて学校を後にした。
向かうのは結花ちゃんといつも待ち合わせていたあの駅。
昼休み、吾郎に『今度は俺が捕まえにいく』と宣言した俺は早速それを実行に移しに行くのだ。
色々悩んで、臆病になっていたけどそんなことしてる場合じゃないと、吾郎に教えられたから。
佐知にだって、今度は俺からぶつかって行けって言われていたのに、何をこんなにも躊躇していたんだろう。
結花ちゃんに迷惑をかけるのが嫌だから。
結花ちゃんに拒絶されるのが怖いから。
結局それは俺の逃げでしかない。
やっと見つけた俺の“恋”。
それをどうしてももう一度、この手に掴みたい。
だからどんなに不格好でも俺は全力で結花ちゃんにぶつかって、彼女を捕まえる。