僕のonly princess


「薫、誤解を生むような発言は注意して」


真面目な顔をしてそう言う吾郎に俺は「ごめん」と笑った。


「でも俺、今日はこの後デートなんだよね」


荷物を詰めた鞄に手をかけながら吾郎と忠にさらっと告げると、二人は揃って「え?」と首を傾げた。


「デートって今朝、彼女とは昨日別れたって言ってなかったか?」


「前の子とは昨日別れたけど、新しい彼女がその帰りにできたから」


「「は?」」


俺の言葉に二人は怪訝そうな顔で固まった。


まあ、そうだよね。
昨日別れて、その日のうちに新しい子と付き合うとか普通は有り得ないよね。


二人の固まった表情に苦笑いして、「じゃ、そういうことだからまた明日」と手を上げて俺は教室を出た。


吾郎も忠も深くは聞いてこないけど、こんな俺のこと『どうしようもないヤツ』だと思っているだろうな。
それでも仲良くしてくれる二人は俺にとっては大切な親友だと思っている。


二人もそう思ってくれているといいけど…。


あんまり節操がなさ過ぎると友達やめられそうだな。


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