深海魚Lover
「ああ、旅行の記念に……
 おっ、こっちにはかんざしもあるぞ」


京次さんが手にしたかんざしには、赤と黒の模様のとんぼ玉が付いていた。

二色は水中を泳ぐ魚のようにも見えて、丸いガラス玉の小さな世界は私を魅了する。


「きれい」

「気に入ったのか?」

「はい」

「じゃあ、これに決定
 他にも……?」

「いえっ、それひとつだけで十分です
 宝物にします」

「そうか」

「はい、ありがとうございます」


嬉しさに満面の笑みを浮かべる私を貴方が見つめる。


日は沈んでゆき、私達は旅館がある場所にタクシーで戻りチェックイン。

お洒落な京モダンの部屋に案内され、疲れた足を伸ばしてゆっくりとくつろぐ。
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