深海魚Lover
そこでしか住めなくて、そこで住む為に精一杯努力をしてる。

それはただ楽しいから、幸せだから、それだけでは言い表せない。

極限とも言える環境の中で生き続ける為には深海魚は特殊でなくてはならない。

姿、形を変えて……新たな部分を研ぎ澄ます。

それは、決死の覚悟。

私はあんなにも好きだった深海のこと、何も知らない。

大好きなのに……


本当の姿、知らない----


湯船に浮かぶアヒルではなくカエルのおもちゃ。

潤司君が手で波を起こすと水面をプカプカと移動する。

「ジュン君
 頭、洗ってあげる」

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食事に片づけ入浴と済ませた私達が居間でテレビを見ながら寛いでいると家の電話が鳴る。

電話に出た京次さんの何度とツルと名を呼ぶ声で、通話相手が充さんなのだということがわかる。

話はしばらく続いて、京次さんの深刻そうな表情から私は話の邪魔にならないようにテレビを消した。
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