緒方くんとあたし。





「志乃は先生のところでしょ?あたしはもっと小ぢんまりとしたところへ引っ越そうかと」

「でもっ。この家にはまだおとうさんの思い出があって、他人になんか貸すなんて」

険悪な空気が見えてき始めて、桜井先生が口をはさんだ。

「志乃ちゃん」

それに顔を向けた。

「今すぐに決めろと言っているんじゃない。君が本当に碁を続けてプロになることを考えているなら、早く新しい師匠を自分で選ぶべきだ。いつでもいい。また来るからそのときにでも話そう。」

そう言って、桜井先生は帰っていった。










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