緒方くんとあたし。





「志乃」

先生が帰った後、部屋を出ようとしたところでおかあさんに呼び止められた。

「おかあさんは桜井先生なら安心して志乃を預けることができるのだけれど。おとうさんもきっと喜んでくださるわ。何より、おとうさんと桜井先生はほんとに仲の良い友人だったし、良いライバルでもあったから。きっと安心してくださるわ。」

そう言う、おかあさんを黙って見つめてから、

「、、、、、少し、考えさせて」

そのまま、襖を閉めずに二階へと上がってしまった。










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