守られるより守りたい!



「ねぇ二人とも、聞いた!?」


いつもテンションの高い千春だけど、今日はいつもよりテンションが高い。


「何?」


「今日、転校生が来るんだってー!」


千春がニコニコとそう言って、あたしとユカは顔を見合わせた。


「どんな人かなー?カッコイイイケメンだったらいいなー!」


きゃぁきゃぁと千春が騒ぐ。周りが見えてないそのうちに、ユカがひそっと小声で言ってきた。


(…あるんじゃないの?運命の再会)


私も小声で返す。


(…ないって。ないない。ていうかあったとしても運命じゃないって)


(なんで?充分運命でしょ)


(だから運命の王子様とかじゃないって言ったでしょ?)


(王子様なんて一言も言ってないでしょ、あたし)


(へ?)


(なぁに?やっぱ王子様って事?)


(あーはいはい墓穴掘りましたよ。ていうか、違うから)


「亜稀ちゃん?ゆかりん?」


「「ハイっ!?」」


千春に急に声を掛けられて、思わず二人揃って裏返った声で返事する。


「先生来たよ?」


千春に言われて周りを見渡すと、先生も含めた皆があたし達を「早く席につけよ」的な目で見てきたため、とりあえず大人しく席に着く事にした。


< 14 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop