守られるより守りたい!



「――――これで、始業式を終わります」


気をつけ、礼。と500人くらいが同じ動きをする。


当たり前の行為だけど、よく考えたらこれはすごい事なんじゃないかと時々思う。


たった一人の声で、500人近くの人々が同じように動くのだ。


「3年生はそのまま、2年生から移動を開始してください」


司会の先生がそう言うと、3年生――つまりあたし達は、ザワザワとしだした。


「亜稀ちゃんっ、ゆかりんっ!転校生だよね!?だよねっ!?」


隣の千春がきゃぁきゃぁとしながらあたしと、あたしの後ろにいるユカを交互に見る。


あたし達は背が同じくらいで、背の順男女各二列で並んだ時にはこんな感じで3人揃う。


1年の時からそうで、だから千春と仲良くなったと言えるきっかけだ。


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