守られるより守りたい!

坂城君=えっと…さ、坂城君?



そんなこんなで今日が過ぎていって、もう放課後だった。


「そうだ神澤。ちょっと手伝ってくれ」


そうヘラバカ茶…げふんげふん、担任の川井《Kawai》先生様に呼ばれたあたしは、なぜか教室で一人、掲示物を飾っていた。



頼まれた時、もちろん言った。


「なんであたしが!?」


でも、即答で返された。


「だってお前さっき、寝てただろ?HRの最中にぐーぐーとよぉ。罰ゲームってわけだ」


自慢顔でそう言ってきた先生の言葉には、拒否権という言葉を感じさせなかった。


「…やれよ?」


最後の言葉にあたしは思わずため息交じりに「…はいはい」と言ってしまった。




そんなこんなで一人、掲示物を貼ったりしている。


「…たく、なにが『手伝え』だよー!結局あたし一人にやらしてんじゃんヘラヘラバカ茶髪赤ネクタイがぁーっ!」


そう嘆いても、教室内はシーンとしたまま、何も返ってはこない。


「………。」


なんだか淋しくなって、さっさと終わらせようと作業を進める。


時間割、カレンダー、年間行事を1つ1つ書いた短冊、そんなものを壁に画鋲で固定していく。


短冊がこれまた面倒くさい!



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