新米教師"L"

「連城崎、恵瑠です」

「エル、ね…。
で、あなた、ノーメイク？」

いきなり話を変えられて、エルは少し戸惑った。

「はい、まぁ…」

「へぇ、ノーメイクでそれなら、それなりにもとが良いのね。
ま、私には考えられないけれど」

そう言い、蝶は鞄に荷物を入れ始めた。
帰りの支度が整うと、さっさと帰ろうとする。

「じゃあね。
あ、私保険医だから、大抵は保健室にいるわ。何かあったら来ていいわよ」

そう言って、職員室を出ていこうとした蝶に、エルは声をかけた。

「あの、入学式で、艶野さんはなんであんな態度だったんですか…？」

蝶はゆっくりエルの方に体を向け、冷ややかな視線をエルに送った。