普通の恋はできません!
好きだと思った。
幼いながら好きだと思った。
好きだと思った。
いろんな女を見てきた中で一番好きだと思った。
俺はヤクザの跡取り息子で、顔もいい。
家柄か、顔か。
どちらかの理由でしか俺の周りには人が寄ってこなかった。
家業なんて継ぐ気も無く、中学の頃から遊び歩いた。
俺の家柄なんて知らない奴らと毎晩ヤンチャした。
警察なんて怖くねぇ。
家柄なんとかしてくれる。
女に困ったことなんてねぇ。
勝手に寄ってくる。
寄ってくる女はどれも一緒だった。
1色だった。
なんの色も無ぇ。ただ欲望の色。
香水臭いクソババアども。
学校の女も地味か派手か。
単調な奴らだった。
でも、あいつ。桜田かなみは違った
抱えてる家柄は俺と同じだ。
でも、
他の女とは違った。
なんでか地味な格好はしてるけど外見じゃなくて、中身が、
中身が全然違った。
俺との会話で紡ぐひとことひとことが新鮮かのように話し、屈託の無い表情で笑った。
八重歯が見えた。
そんなどうでもいいところまで見てしまうほど
見惚れてしまった。
