僕は君の名前を呼ぶ
金曜日の放課後。
橘には「先に行ってて」とだけ伝えて、隆太と共に体育館の脇にある自販機向かった。
「好きなの選べよ」
そう言うと隆太は目をキラキラと輝かせて、「コーラ!」と答えた。
そう。今日は賭けのジュースを選ばせるためにここに来たのだ。
まあ、選ばせると言っても隆太は無類のコーラ好き。
コーラを選ぶのはわかりきっていることだ。
ガコン!と音を立ててペットボトルを吐いた自販機からコーラを取り出すと、俺はそれを思い切り振ってから隆太に渡してやった。
「おい海斗!なにしてくれてんだよ!」
「あー…、ごめん」