僕は君の名前を呼ぶ


『ありがとうございました。いってきます』




『なあなあ海斗っ。母さんと何話してたの?』


浴衣を着て電車に乗り込むなり、俺に話しかける隆太。


『ん~、隆太の愚痴?』


『はっ!?俺がいないところでそんなこと話してたのかよ!』


隆太は怒り出した。
まあ、嘘ではないし。


『お前は駅で桃子ちゃんと待ち合わせだっけ?』


『あぁ。桃子の家はちと遠いからな。駅で落ち合うことにした』


…ということは、桃子ちゃん初対面するのか。

学校で一応見掛けたことはあるから厳密に言うと初対面ではないけど、ちゃんと会うのは初めてだな。


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