僕は君の名前を呼ぶ
一度は断ったものの、カナもしぶとくてなかなか折れてくれなく、仕方なく付き合ってしまった。
付き合う前に『俺はカナを好きになれないかもしれない』と言ったのに、カナは俺に尽くしてくれた。
それが申し訳なくて、俺から別れを告げたのだ。
「新しい彼氏と倦怠期らしいぞっ。別れたらお前のところに来るんじゃないか?」
隆太は目をキラキラ輝かせて言ってくる。
「そういうの、あんまり興味ない」
そう言うと隆太は「えーっ!」と声を上げた。
ミーハーだな、隆太は。