僕は君の名前を呼ぶ
「俺は兄貴の部屋で兄貴と寝るから、橘は俺の部屋でいいよな?」
ふたりに聞くとどちらも頷いたので、俺は部屋に橘を連れて行った。
「寝れそうか?」
「…ちょっと怖い」
そうだよな。
あんなことがあって、怖くないわけがない。
「橘が眠くなるまで、俺もいようか?」
部屋に橘とふたりきりなんて。
不謹慎なことなんて、できないけどな、そりゃあ。
「いいの?」
「当たり前だろ」
ふたりで俺の部屋に吸い込まれた。