[完]Dear…~愛のうた~
そして俺から離れてまた俺の手に文字を書く。

“だ” “け” “ど” “こ” “れ” “で” 
“さ” “い” “ご” “に” “し” “よ” “?”

ーだけどこれで最後にしよ?

その意味がなんとなくわかった気がする。

“だ” “か” “ら” 
“きょ” “う” “だ” “け”
“お” “も” “い” “で” “が” 
“ほ” “し” “い” “な”

ーだから今日だけ思い出が欲しいな

そしてそのまま実彩は俺にそっとキスをした。

俺もそれに応えるようにそのまま実彩を押し倒す。

わかってる、実彩が何を言いたいのか。

だから、俺は実彩をそっと抱きしめた。

これが最後だから……

実彩に触れるのも、実彩に会えるのも……

これが、俺達にとって最後の記憶になるんだ。

そして俺達はそのまま行為が終わっても
抱き合っていた。

お互いの温もりをしっかりと確認するように……

繋がれた手は見るのも虚しくなった。

ただ、この気持ちは届いただろうか……

俺は、実彩の幸せを祈り続けているということ……

お互いを苦しめるなら、
もう二度と会わないほうがいい……

俺達の結論はそうだった。

好きという気持ちはお互いの胸に秘めておこう。

そして俺達は一番最初に戻るんだ。

俺達がまだ出会っていなかったあの頃の時に……

たとえそれが、今よりつらいことだとしても……

俺達はもう二度と会ってはいけない。

それはまた同じ過ちを繰り返すことになるから……

ー「北川 実彩です」

あの綺麗な声は一生忘れない……

「さよなら……」

そして、愛してる……

俺達は再び瞼を落として眠りについた。



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