【完】切ないよ、仇野君
ラーメンを食べ終わった後、私と歩君はどこに行くでもなく、その場で現地解散した。
「次に会うんは、来週の合同練習やね。……またな、ちー」
「うん、また、ね」
熊本駅に向かう歩君と、水前寺の方に向かう私は逆方向。
先に市電が来た歩君は、向かい側の停留場で大きく腕を振りかぶって去っていく。
それを見送り、すぐに来た自分の乗る市電に乗りながら、ぼやん、と揺れる吊革を眺めた。
『全部変えんでも良かと思う』……か。
背が高すぎて、顔がきつくて、後ろ向きな性格の私だけど、全部変える必要は無いのかな?
私たらしめる何かを残しながらも、満足行くように変わっていくって、どうしたら出来るんだろう。