【完】切ないよ、仇野君



調子が良いのは泰ちゃんばかりか、水高一軍全員みたい。


結局菊池相手に快勝した私達は、少しの間の休息を取っていた。


「一軍もばってん、なんか今日レギュラー全員の空気が良かごたる」


私が取った選手のシュート数やスティール、ブロック、リバウンドの統計とミスの数を電卓で叩く由貴先輩が嬉しそうに呟く。


「由貴先輩、統計率取れた?」


「お、小鳥遊椿、お疲れさん!あんたが頼んだこつなんやけん手伝ってくれん?」


フロアの隅っこで作業をしていた私達マネージャー陣に近寄ったのは椿。


行雲キャプテンやケイ先輩とは真逆に、頭と視野範囲を頼りに戦う椿にとって、数字は次の試合の大事な鍵になるみたい。


「んー、悪いって程じゃないけど、今日雫右外角からのスリー良くないね」


見てた限り気付かなかったことも、数字になると良く分かるらしい。
< 136 / 185 >

この作品をシェア

pagetop