壊れるくらい抱きしめて
優香さんには憧れていた。でも、理美には嫉妬してた。多分自分では気がつかないけれど理美にきつく当たってきた部分もあるはず。


それでも理美は最初から私に対する態度を変えることはなかった。林さんとのキスシーンを見たときは理美に対して悔しい気持ちでいっぱいだったけれど今、二人が並んでいても微笑ましいと見守ることができる。



それはきっと、私を慰めてくれた松本さんのおかげ。林さんから松本さんへの心変わりの早さは否めないけれどやっぱり私は松本さんが好きなんだ。



「わーっ!!おめでとうございますぅ。なんだか素敵でお似合いのカップルですよねー。松本さん。あっせっかくだから松本さんもあたしと付き合っちゃいませんか?」



優香さんが二人をとても祝福していて今日は宴の無礼講よ!


と林さんと理美にメニューを手渡し好きなものを頼みなさいと楽しい雰囲気だったのも束の間、また黒岩さんが横から邪魔をした。



「俺は、パス。売約済ですから」



今度はその言葉に一気にみんなの目が松本さんに集中した。


さすがにベタベタとしていた黒岩さんも少し戸惑いの表情を浮かべている。
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