壊れるくらい抱きしめて
毎日の努力も虚しく松本さんにはなかなか会えなかった。企画開発部に知り合いでもいればそれを口実に行くこともできるけれど松本さん以外の知り合いはいない。


元々あまり人付き合いは得意じゃない。だから恋愛相談もできない。まあそれには思い出したくもない過去があったりする。


高校時代、好きな人がいた。その人とは付き合いもなく一方的な片思いだったけれど好きだった。友達にも相談した。みんな親身になって相談を聞いてくれてアドバイスをくれたりもした。


でも、放課後先生に呼ばれて職員室に行った帰り、待ってるねと笑顔で言ってくれた友達の本音を聞いてしまった。



「ねえねえ恵那の恋、どう思う?」


「ないでしょ。だってさ相手彼女いるじゃん」


「だよねー。しかも必死すぎ!!」



「うんうん。絶対実るわけないのにね!」
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