個人的事情につき“休暇をいただきます”

頬を滑らせる指先はスルスルと顎を伝い。

そのまま首筋をなぞる。

彼女から発せられる匂いは蝶や蜂を呼ぶ花の蜜のように。

その甘さに俺を誘い込む。

そして指先は。

ゆっくりと首筋から鎖骨を通り、胸元に辿り着いた。

それでも彼女は目を開けない。





「…触りてぇって思ってんのはお前だけじゃねぇんだ。
これ以上焦らすんじゃねぇ」





焦らすつもりが焦らされていて。

煽るつもりが煽られていた。

…もう、加減も我慢もしてやるつもりはないから。

…覚悟しろ。





ソファーの上の彼女に跨がると。

首元に顔を埋め、舌を這わせる。

少しめくれた服の裾から素肌の腰へと指を這わせた。

素肌に触れた指先は撫でるように振れながら服を捲り上げて行く。





「ん…や…」





彼女がモジモジと足を動かし始めた。

…ったく、詰めが甘ぇんだよ詰めが。





「…いいかげん起きろ。
わかってんだよ、酔ったふりしてることぐらい」



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