【完】女優橘遥の憂鬱
「申し訳ありません。解っていながら彼女を救い出せませんでした」
俺は彼女が以前所属していたタレント事務所を訪ねていた。
まず、バースデイプレゼンショーと銘打った彼女の二十歳の誕生日に何が起こったのかを受け明けた。
「『タイトルは決まっている。いいか、お前は今日から橘遥だ。戦慄!! 橘遥処女を売るだ!!』監督はそう言いました。『えっ!? 聞いてないよ。彼女処女だったのか? だったら犯罪じゃないか!?』そう俳優は言いました。あの時は皆強姦罪が適応されることを知っていたんです」
「強姦罪って罪重いのよ。輪姦は特にね。あっ、ごめんなさい。貴方を責めているのじゃないわ」
「もしかしたら、俺のことも?」
「彼女ね。貴方に助けられたんだって。痛くて痛くて仕方ない時に優しくしてもらったって」
「『あ、妊娠するとか気にするな。事務所から安全日だって聞いている。だから生で遣らせたかったんだ』監督がそう言ったんです。俺はその安全日に反応して、気が付いたら彼女を犯してました」
「やはり、事務所から聞いているって言ってたのね」
社長の言葉が気になる。
それでも続けた。
「俺は監督に脅されていたんです。俺のあの時に、……の」
「彼女から聞いているわよ。貴方あの娘の中で果てたそうね?」
驚きながら、頷いた。
「後にも先にも、貴方だけなんだって?」
「えっ、そんなことまで彼女言ったのですか?」
「私を恨んでいたのよ。だから、全部ぶちまけちゃったの。可哀想に彼女は、借金も無いのに身体で払えって言われていたみたいね。両親の借金は生命保険でほぼ完済してるのよ。あったのは大学の入学金くらいかな?」
「えっ。それっ本当ですか!? 彼女はそれで……、八年間も」
俺は泣いていた。
確かに監督にも借金があって、だから彼女を離さないと聞いたことはある。
でも彼女の両親の借金じゃなかったなんて……
完全に犯罪行為だ。詐欺だったのだ。
「あれっ、確か詐欺罪は、騙されたことが終わった時点で時効をカウントするみたいですけど」
「あっ、それでも検討中よ。貴方も調べたのね」
「強姦罪の時効は七年だそうです。俺は監督に、それを彼女に気付かれないように見張ることを言い渡されました。実は、監督に『いい拾い物をした』って言われて……。それがどうやら彼女の中で出した物らしいです。」
俺は彼女が以前所属していたタレント事務所を訪ねていた。
まず、バースデイプレゼンショーと銘打った彼女の二十歳の誕生日に何が起こったのかを受け明けた。
「『タイトルは決まっている。いいか、お前は今日から橘遥だ。戦慄!! 橘遥処女を売るだ!!』監督はそう言いました。『えっ!? 聞いてないよ。彼女処女だったのか? だったら犯罪じゃないか!?』そう俳優は言いました。あの時は皆強姦罪が適応されることを知っていたんです」
「強姦罪って罪重いのよ。輪姦は特にね。あっ、ごめんなさい。貴方を責めているのじゃないわ」
「もしかしたら、俺のことも?」
「彼女ね。貴方に助けられたんだって。痛くて痛くて仕方ない時に優しくしてもらったって」
「『あ、妊娠するとか気にするな。事務所から安全日だって聞いている。だから生で遣らせたかったんだ』監督がそう言ったんです。俺はその安全日に反応して、気が付いたら彼女を犯してました」
「やはり、事務所から聞いているって言ってたのね」
社長の言葉が気になる。
それでも続けた。
「俺は監督に脅されていたんです。俺のあの時に、……の」
「彼女から聞いているわよ。貴方あの娘の中で果てたそうね?」
驚きながら、頷いた。
「後にも先にも、貴方だけなんだって?」
「えっ、そんなことまで彼女言ったのですか?」
「私を恨んでいたのよ。だから、全部ぶちまけちゃったの。可哀想に彼女は、借金も無いのに身体で払えって言われていたみたいね。両親の借金は生命保険でほぼ完済してるのよ。あったのは大学の入学金くらいかな?」
「えっ。それっ本当ですか!? 彼女はそれで……、八年間も」
俺は泣いていた。
確かに監督にも借金があって、だから彼女を離さないと聞いたことはある。
でも彼女の両親の借金じゃなかったなんて……
完全に犯罪行為だ。詐欺だったのだ。
「あれっ、確か詐欺罪は、騙されたことが終わった時点で時効をカウントするみたいですけど」
「あっ、それでも検討中よ。貴方も調べたのね」
「強姦罪の時効は七年だそうです。俺は監督に、それを彼女に気付かれないように見張ることを言い渡されました。実は、監督に『いい拾い物をした』って言われて……。それがどうやら彼女の中で出した物らしいです。」