ねぇ、どうしたいの?


「……今の何だったの?」


杏華ちゃんの呟きで、私と直樹くんは我に返った。


「知るかよ!あー、むかつく!美桜、もうアイツに近づくなよ!」
「そ、そう言われても…」


同じ委員だからなぁ。


「宮塚ってああいう人だったんだね。イメージと大分違うわ。」
「う、うん……」


杏華ちゃんの言う通り。
宮塚くんがあんなことするなんて……。


『勘違い、しないでね。』


なんて……期待しちゃいますよ。


「美桜、顔真っ赤よ?大丈夫?」
「え、うん。ちょっとビックリして」
「そりゃそうよね。」


分かる分かる、と杏華ちゃんは隣で頷いた。


「もーいいよ。二度と関わりたくない。行こーぜ、次の授業遅れちまう。」
「待ってよ、直樹。美桜、行くよ。」


杏華ちゃんに手を引かれ、宮塚くんが消え去った方向と逆に歩き始めた。

もう姿は見えないと分かっていても、何度か後ろを振り返ってしまった。




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