無愛想な彼が私を見ない理由
『やっぱり岡野さんって面白いんだね?』
「へっ!?」
『ま、変って事だけど』
佐倉くんは笑っているのか無表情なのか、
よく分からなかったけど、
「佐倉くんって、普通に話すんだね……?」
と、言ってみた。
『学校と違った?』
“うん、全然違う”
けど、なんか佐倉くんのこと知れたようで
少し嬉しかった。
『…………じゃあ、俺は帰るから。
読み終わったら、話しかけて?』
それだけ言うと、佐倉くんは本屋さんを出てってしまった。