無愛想な彼が私を見ない理由



『やっぱり岡野さんって面白いんだね?』


「へっ!?」


『ま、変って事だけど』


佐倉くんは笑っているのか無表情なのか、
 
よく分からなかったけど、


「佐倉くんって、普通に話すんだね……?」


と、言ってみた。


『学校と違った?』


“うん、全然違う”


けど、なんか佐倉くんのこと知れたようで

少し嬉しかった。


『…………じゃあ、俺は帰るから。

読み終わったら、話しかけて?』


それだけ言うと、佐倉くんは本屋さんを出てってしまった。


< 37 / 353 >

この作品をシェア

pagetop