大好きな君の。
それから月日が流れ六月になった。
私たちは幸せな日々を送っていた。毎日が楽しくて楽しくて仕方なかった。
学校で話せる人は憐ちゃんくらいしかいなかったけれど
私はそれで全然構わなかった。
優哉さんがいてくれるだけで私は無敵だ。
なんて、馬鹿なことを考えた。
そうそう、私の怪我ももう完治してね。
優哉さんの怪我も、もう松葉杖であるけるほどよくなった。
頬にあった大きな傷。
お医者さんにもしかしたら跡が残るかもしれませんって言われた時思わず私、泣いてしまったの。
そんな私に優哉さんは、優しく微笑んで
「俺は朋ちゃんを守って出来たこの傷がね、凄く誇らしい。
それにあの事故がなかったら俺たちは出会えていなかったんだ。でしょ?」
その言葉を聞いてもっと涙が出たの、きっと優哉さんは知らない。
「朋ちゃん、ずっと一緒にいようね」
「うん、優哉さん。ずっと一緒」
14歳と18歳の幼い約束。
けれど、幼い私はその言葉を信じた。
私はすっかり忘れていたんだ。
『遥……』つらそうに切なそうに、女性の名前を呼ぶ君のことを。
ずっと、なんてものは存在しない――――――――……。