大好きな君の。






「優哉さん……」











 優哉さんの顔を見ると、かすかに赤くなっていた。



 優哉さんも照れてるのかな、なんて思ったら自然と笑みがこぼれた。





 それに気づいた優哉さんは











「笑うなー!!」











 もう一度、顔を近づける。




 今度は、さっきのとは違って少し大人なキス。







「ねえ、優哉さん」
「どうしたの?」






真剣な眼差しで優哉さんを見つめた。



優哉さんも真剣な顔になる。







「記憶喪失の人は、記憶が戻るときに記憶がなかった間のことを忘れてしまうことがあるんだって」







ネットで調べた知識を、ゆっくりと話す。







「そうなったら、私も優哉さんに忘れられてしまうのかな」







そう考えるだけで涙が出てしまいそうだ。








「大丈夫だよ。前の俺になっても、朋ちゃんのこと忘れない。それに俺は違う俺になっても朋ちゃんのことまた好きになる。大丈夫。だから泣かないで」










そういうと優哉さんは私をぎゅっと抱きしめた。


胸の奥のどろどろが溶かされていく。






「大好きだよ、朋美ちゃん」







 この幸せがずっと続きますように。




 そう願った。







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