◇東雲庵◇2014〜2017◇
猫氏のふゆやすみ。

【2016年1月】

列島大寒波襲来。
要注意的積雪路面凍結等為交通障害。
それっぽく書いてみました。
大学は結局、4年の終わりまで第二外国語の中国語を履修していました(普通は2年で終わるのです。単位を落とす事2回。鬼門!煩悶!中国語!)こんにちは。劣等生の東雲葵です。ピージューハオチー!(ビール美味い!)

新しい年が始まりましたね。本年もよろしくお願いいたします。まだここにいます、当分。
暖冬暖冬だと油断しきったところにこの大寒波。北日本や山間部はもとより、九州北部や西日本、関東、東海の太平洋側でも広い範囲で降雪、積雪予想とな。うぶぶぶ、さぶい。みなさまのところは大丈夫ですか?ラテ子はん、1日に何度もの雪かき、想像のアウトゾーンです。お疲れ様です。どうか、お怪我などありませんように。お祈り申し上げますです。(日出処の天子は日本のサブカル遺産です。勝手に認定。)

きょうは朝7時から夜9時までという鬼シフトの葵です。午後から雪か雨って予報だったので、お昼休憩ビクビクしながら車で10分のマクドナルドにやって来ました。(ここなら外の様子が見えるので)雪がちらとでも舞い始めたらソッコー会社に戻ります。スタッドレス履いてませんから。

【うちのにゃんこさんの年末年始の振る舞いについて】

さて。
今回は夫の冬休みが12/25〜1/5までとかなり長くて、彼のテンションの上がり下がりがかなり面白かったのでそれをリークしちゃおうと思ってます。

お立会いのうちにご存知の方も御座りましょうが、うちのにゃんこさん(夫)は神戸出身、わたしは名古屋出身です。毎年、お正月はどちらの実家にも(一応)顔を出すようにしています。名古屋経由で神戸か、神戸の帰りに名古屋に立ち寄るか、いずれかのパターンで。ま、大人ですから。2回ゆっとこ。オトナ、ですからね。新しい年の初めには、両親にご挨拶せねばならねば、でしょ?

ちなみに私はいつも通り、勤務に関して暦は関係ない仕事なので、通常通りの体制です。夫だけが怒涛の12連休。こういう部分はメーカー勤務が羨ましい。

そんな、12月25日金曜日。
彼の冬休み第1日目。
つか、クリスマス。

わたしが夜、仕事から帰るとキッチンに立つ夫の向こう、作業台にはでかいビニール袋がふたつ。ででんと鎮座しておられた。中には肉らしき塊が。

12月25日、です。
このタイミングで肉の塊っつったら、チキンでしょー!ヒャッハー!肉汁ぶっしゃー!
鶏肉なら揚げても焼いても蒸しても何でも大好きなわたくし。喜び勇んで袋を開けました。するとそこには、不可解なピンク色の網目が見えたのです。

…………あみめ?


「これ、なに?」

夫はとても嬉しそうでした。宝物を見せる少年のように瞳がキラキラしていました。

「ハチノス!葵ちゃん、これがハチノスだよ!新鮮なんだよー!綺麗でしょ?」

「……、お、おう。」


……牛の臓器でした。

もっかい言います。
12月25日、クリスマスの晩の出来事です。

「さすがベリカ臓器(仮名)さんだねぇ。こんなに大きくて新鮮なハチノス、なかなか手に入らないよ。全然臭くないんだよ。ほら!」

わたしの戸惑いは置いてけぼりにて、夫は頬を紅潮させてはしゃぎ、ほれ嗅げとばかりにわたしの鼻に臓器を押し付けてきます。ちくしょう、なんだその可愛げは。乙女か!39のオッサンのくせに可愛いじゃねぇか!片手に持ってるのが牛の臓器である事だけがものすごく違和感かつ残念だよ!

「うん、わかったわかった。素敵なハチノスだねぇ。(棒読み)ほんで、なにゆえにこれを買って来ただん?」

東雲、だんだんとお国の言葉が出てきます。
怒ってるわけじゃないのよ。
ただ、訳がわからんメーターが針を振り切ってて、若干苛つくというか呆れるというかもはや匙を投げるというか。

「トリッパを作ろうと思って!」

(★トリッパ…イタリアの煮込み料理。牛のモツを使う。濃ゆい。ワインによく合う)

「………いまから?」

モツです。
煮込み料理です。
いくら新鮮とはいえ、下茹でなど何工程か踏まねばならないので時間がかかります。ただいまの帰宅時刻、21:30です。

「ううん、これは日曜の忘年会に持ってくの。いま解凍してるところだから、葵ちゃんこれ触らないでね。」
「ああ、成る程ね。(頼まれても触らん!)」

日曜の持ち寄りパーティーに持ってく用の料理だそうです。うん、もう好きにさせとこう。

「で、きょうの晩御飯は?」
「あ……」

ってなことは脚色でして、普通に普通のご飯はありましたよ。普通すぎて何だったかもう忘れちゃっただけで。なんか作ってくれてました。だってもう、臓物のインパクトが強すぎてさぁ。しかもクリスマスってのが。あ、違うなぁ。試作品を彼が別に作っていて、ちょっと食べさせてもらったんだったかな。トリッパ。

わたしは翌朝早いので先に寝たんですが、その日、夫は深夜3時までハチノスと戯れておりました。階下の物音で何回か目を覚まして時計を見たから確か。深夜3時て!もう深夜なのか明け方なのか言葉の選択を迷う時間帯です。

そうなのです。
つまり彼は完全に調子に乗っていたのでした。臓器を片手に、言うなれば蜂の巣ルンルンです。わたしは花の子です〜名前はルンルンです〜って鼻歌なんて歌っちゃう勢いです。
お休みだもーん。時間を贅沢に使ってやるぞー!新しい料理にも挑戦しちゃうぞー!夜更かししても平気だもんねー!…心の声が聞こえるようです。

まさに、アレです。
ノリに乗ってるノリノリボーイや!
(byマダムゆり子)

そんなわけで、クリスマスの食卓はモツ。
六角の網目が蜂の巣のように見える、牛の内臓。これが冬休み序盤の出来事。

いや、美味しかったですよ。
トマト味に煮込んだ牛の内臓。
脂っこかったけど、柔らかくて、でもモチモチと歯ごたえもあって。忘年会でも概ね好評でした。

美味しかったです、……けどさ!

なんか!……なんかっっ!!!




(冬休み後半戦につづく)



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