◇東雲庵◇2014〜2017◇
アイドルって何だろう。
9月9日、こちらは秋晴れ、土曜の朝です。うーん…快適!起きぬけからムッとした湿気に包まれないという幸せ。そしてラジオから出し抜けにキリンジ『エイリアンズ』が流れてくるという幸運。ああ、朝からこんなにハッピーでいいのかしら。ありがとう東京エフエム。ありがとう堀込兄弟。ありがとう世界!ってな具合にねー、行きたいっすね(いっすねー!)イエー、なんてね。

朝から平和。スチャダラパーでおはようございます。(←キリンジどこ行った←いやそれより小沢くんは) 『今夜はブギーバック』。懐かしい、と言うには色んなアーティストにカバーされたりCMで未だ使われたりするので耳慣れていて抵抗があります。つまり身近なのよね。私にとってはまさに「心のベストテン第1位はこの曲だったー」よろしくいつまでも携帯音楽プレーヤーから消える事のない一曲です。

【アイドル。アイドルってなんだ?】

こんな人もいるんだな、ぐらいの姿勢で聞いてくださいませ。
この曲が流行っていた90年代前半、少女だった葵ちゃんはある問題にぶち当たっていました。

「みんなが夢中になっているトレンディ俳優、またはアイドル、はたまた外国俳優らに一切の憧れを抱けない(恋出来ない)」

抱(いだ)かない、のではありません。
抱け、ない、のです。(笑)
つまり、葵ちゃんは抱きたかったのです。(何でもいいけどすごい字面だな)

女子校だから特に、なのかもしれませんが女子って「自担」を決めたがるんですよね。自担=自分の担当。今風に言うと自分の推しメン。例えばSMAPだったら私はキムタク派、いえいえ私は慎吾ちゃん!みたいなあのノリ。雑誌の切り抜きをルーズリーフの表紙に挟んで授業中はいつも眺めて時には抱きしめちゃう!みたいな対象人物。
それをね、皆それぞれ決めたがるんです。◯◯ちゃんは△△が好き!ってのを。

いる人はいいのよ。
アイドルでも俳優でもなんでも「心の恋人」的な存在がいる人は。その空気に何の疑問も持たずに「私はね、ギバちゃん」「私は織田裕二!」って乗っかっていける人は。
でも、当時の私にはそういう風に疑似恋愛の対象として見られるブラウン管の中の人は、全くいなかったわけです。テレビあまり見せてもらえなかったし。(そもそも二次元に夢中になっていた頃だしな)困りましたね。◯◯くんカッコイイ!うんうん、だよね!きゃー!◯◯くんも!っていうその子達の気持ちが、心の底から理解できなくて。(嫌味ではない。本気で戸惑っていたの。何それ、どういう距離感?どういう感情?どうしたら私にも出来るんだ?って)皆に合わせるために、めっちゃ頑張って雑誌買って自担を探していた覚えがあります。胸を張って自担の名前が言えるって私にとっては誇らしいことだったのです(笑)。

なんかね、「アイドルの切り抜きを持ち歩いて自担について詳しく調べてアピールして皆でキャーキャーはしゃげる」=女子力高い、イケてる女子、っていう図式が成立していたんですよね。これはもう憧れに近い。だってなんかもう騒いでるだけで可愛いじゃないですか。小学生の頃もそうだった。葵ちゃんは光GENJIの誰が好き?って聞かれて(心の声:そもそも誰がいるのか教えてくれ)その答えを持ち合わせていない事に劣等感すら感じていました。そして聞かれたら答えられるように一生懸命調べて佐藤君、という名前だけ覚えました。顔と名前を覚えただけですが。

二次元に夢中になっていたとはいえ、現実の男に興味が無かったわけではないんです。好きな男の子は、いつの時代もいたから。クラスメイトとかバイト仲間とかキャンプ友達とか。それは途切れた事がない。ただ、その男子達に対する恋愛感情と同じ類のものをブラウン管の中の人に感じられなくて、戸惑っていたというか。一体みんなのあれはどういう感情なんだろう??って。私が現在もめっきり映画や俳優に詳しくない原点は、きっとここにあると思う。



アイドルに対する憧れ、の、正体。
それは恋、なんだよね。
たぶん。
堀込高樹さんや小林賢太郎さんに惚れた今なら、少しその感情が理解できるのですが。(外見で好きになった訳じゃないんだけど)
そして一口にファンと言っても、好きな理由は人それぞれだとは思うのだけれども。

少なくとも当時のイケてる女子達のその好き、は、恋に似ていたのかな。だから、好きなアイドルや俳優に結婚報道が出ると悲鳴が上がるのかな。(それもまた人によるのだと思うけど。)でも、よく聞く「最後の大物独身俳優」という言葉はそういう人達の気持ちを汲んだものなのでしょう。だから、アイドルは恋愛禁止!って考え方に繋がるのでしょう。

アイドル。アイドルってなんだ。
最近これについてよく考えていたのでちょっと書かせていただきました。

アイドル=偶像、であることから、=こちらが勝手に妄想を膨らませられる対象物、なのかな、と思っています。オカズ、と言っては語弊がありますが。だから、恋愛や結婚で「特定の人物のものである」イメージが付くと、商品価値を下げてしまう。それが、日本におけるアイドル、なのかな。

私はその人が生み出したものに感動した結果作り手としてのその人に惚れるタイプなので、結婚しようが離婚しようが良いものを出し続けてくれればそれ自体はどーでも良いと思っています。でも多分それって、作品ありきだから、その人をアイドル的には捉えていないって事なのでしょう。高樹さんも賢太郎さんも。才能に惚れているからぜひそのDNAを後世へ!とは思うけれども、その相手は私でなくてもいい。
私の中でのアイドルへの愛ってもっと盲目的なもののような気がします。

ああやっぱりわからない。
アイドル。アイドルってなんだ。
アイドルについて考えるとき、私は永遠にモヤモヤするのです。



ちなみに当時アイドルに夢中になっていた同級生たち、現在はヅカヲタ(宝塚ヲタク)です。ブレてない…1ミリもブレてない!好きなスターさんに対する五体投地っぷりが変わっていません。身も心も財布の中身も捧げ尽くす!それはもはや恋心を通り越して信仰心のようなものすら感じます。

そんな彼女たちを、ちょっとだけ羨ましいなと思いつつ傍でそっと見守り続ける私なのでした。

まとまりきらないまま、失礼します。


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