茉莉花の少女
「どこが? 笹岡茉莉だろう?」

 林は肩をすくめていた。

「あまりこういうことに詳しくなさそうだよね。茉莉花(マツリカ)って花を知らない? 

一般的にジャスミンって呼ばれているものだけど」

 蘇ったのはあの強いにおいのお茶。

「昨日、彼女の家で飲まされたやつだ」

 彼女は目を細める。

「だから彼女の名前が茉莉だと思うよ。茉莉花からとって。

そのまま茉莉花(マリカ)だと言いにくいしね」

「その茉莉花がなんで彼女の名前なんだよ。関連性が全く分からないんだけど」
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