茉莉花の少女
「まあ、いいけど、家は大丈夫なのか? 

勝手に携帯を触るのもどうかと思ってな。言い訳なら俺がしておいてやるよ」

「大丈夫ですよ。家はほぼ一人暮らしですから」

 母親が帰ってくるのは二週間に一度程度だった。

 数ヶ月帰らないときもある。

 まさか今日に限って早めに帰宅しているということはあまりないだろう。

 彼は眉間にしわを寄せて、顔を覗き込む。

「前から聞きたかったんだけど、お前、普段、どんなものを食べているんだ?」

「適当に」

「インスタント食品とか、ラーメンとか?」

「たまにしますよ。料理はできるから」

 ただ、面倒で最近はあまり食べてなかった気はするが。
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