茉莉花の少女
 彼女はうなずいた。

「久司君はクラスメイトからも人気があったから、あなたのことを調べている子もいてね。そのとき小耳に挟んだの」

「そうだったんだ」

「黙っていてごめんね」

 僕は首を横に振る。

「でも、自分を責めないで。うまくいえないけど、久司君は悪い子じゃないから。

だから、だからね」

 彼女は言葉が見つからなかったのだろう。

 その前の言葉がもう幼稚園児をなだめるようなものだった。
< 229 / 362 >

この作品をシェア

pagetop