茉莉花の少女
第30章 その後
 引越しの日も母が僕に何かを言うことはなかった。

 それどころか彼女は今までと同じようにその二週間ほど前から家にもいなかった。

 そんな行動は彼女らしいといえば彼女らしいのだろう。

 家に住み、広々とした部屋を与えられた。

 ムダに広い家だった。僕の部屋も前の部屋の倍近くあった。

 父親は一時的に体調がよくなったのか、家に戻ってきていた。
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