茉莉花の少女
 彼女は口元を引き締めると、店員を呼んだ。

 さっき彼女を見ていた女性がうれしそうにやってきた。

 彼女は早速注文を始める。

「ヨーグルトパフェとチョコレートケーキ、後コーヒー二つで」

 そのメニューを二人分店員に渡す。

 店員は彼女を見ると、店の奥に消えていく。

 見世物みたい。

 そんなことをボーっと考えていた。

 彼女の視線は窓の外に向けられていた。

 彼女の表情が緩くなる。

 その視線の先にあるものが気になり、窓の外を見た。

 目の前には女子高生が二人歩いている。

 僕の学校の生徒ではない。

 他に彼女が和みそうなものを探す。


 道路の向こう側に手をつないでいる男の子と女の子がいた。
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