茉莉花の少女
 嫌な予感。

「で、こっちはお兄ちゃんの優人」

 しかし、彼女は気にしていないのか明るい口調で自分の兄の紹介を始めた。

 彼は今度は自分の妹を睨む。

「こんなところまでつれてきてどうするんだよ」

「いいじゃない。お兄ちゃんの友達ってことで」

 話がどんどん変な方向にいっている気がする。

 しかし、事情の分からない僕には、兄妹の会話に参加することはできなかった。

 父親がうるさいのだろうか。
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