茉莉花の少女
 それは彼女のこだわりなのかもしれない。

 そんなことに深く突っ込む気はしなかった。

 とりあえずそういうことにしておく。

「男の子を部屋に連れてきたのははじめてかも」

 彼女はそういって微笑むと、ぬいぐるみをベッドカバーの上に置いた。

 僕もそうなのかもしれない。女の部屋に来たのははじめてだった。

 あまり言うと彼女が喜びそうなので、言いたくないけど。

「飲み物は何がいい?」

「何でもいいですよ」

「そしたら待っていてね」
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