俺とアイツ。

ベンチに座った俺たちには、

やっぱり少しの距離があった。

もうちょっと近づきてーなー

なんてことを考えてると、

「ねぇ、あたし今泣いてると思う?

泣いてないと思う?」

なーに言ってんだこいつ。

んなの顔見りゃわかんだろーが。

ってあれ、タオルで顔隠してやがる。

つーか泣いてねーだろ。

なんでなくんだよ、泣く理由がない。

「泣いてねーだろ。

アホじゃねーのか」

笑いながらそういった。

でも春香はタオルを被ったまま

何も言わなかった。

え、泣いてんのか?うそだろ?

なんで泣いてんだ?俺なんかした?

「ちょ、春…「ギュッてして」

え?今なんて…

「お願い、ギュッてして…」

その声に、俺は断ることが

できなかった。
< 24 / 36 >

この作品をシェア

pagetop