俺とアイツ。
ベンチに座った俺たちには、
やっぱり少しの距離があった。
もうちょっと近づきてーなー
なんてことを考えてると、
「ねぇ、あたし今泣いてると思う?
泣いてないと思う?」
なーに言ってんだこいつ。
んなの顔見りゃわかんだろーが。
ってあれ、タオルで顔隠してやがる。
つーか泣いてねーだろ。
なんでなくんだよ、泣く理由がない。
「泣いてねーだろ。
アホじゃねーのか」
笑いながらそういった。
でも春香はタオルを被ったまま
何も言わなかった。
え、泣いてんのか?うそだろ?
なんで泣いてんだ?俺なんかした?
「ちょ、春…「ギュッてして」
え?今なんて…
「お願い、ギュッてして…」
その声に、俺は断ることが
できなかった。