言葉にできない。

「千鳥・・・私を許してくれるのか?」

「許すも何も、あなたが居なければあたしは彼と出会えなかった。
それだけでもういいんです。
お母さんを愛してあたしが生まれたのなら。」


グイ、と腕を引かれ気付けば久我に抱きしめられていた。


「ありがとう・・・ありがとう!!」





そう言って、初めて触れた父の腕は、思っていたよりも細く弱く感じた。


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