辛い.。好き.。大好き.。゜
瑞樹-side-






授業終わったのに……
永橋帰ってこねーな…







少し様子見にいこーかな。






教室から出たすぐの所、岩崎とすれ違った。






口元を手で押さえていて
深刻そうな顔をしていた。





俺の勘が働いた。






……もしかしたら………!






俺は廊下を走った。
ただただ走った。






彼女に会いたくて。
彼女が心配で。
泣いてるんじゃないかって。





予想は的中した。






彼女は保健室で一人、泣いていた。







窓のカーテンの隙間から射し込む光に照らされ、彼女の横顔は美しかった。






「永橋…。」





俺は床に座り込んでる永橋を優しく抱き締めた。






彼女はやっと我に返ったのか、
“俺”だということに気が付いた。






『……瑞樹くん……』






この上目遣い。
誘ってんの?
うるうるだし。






俺はグッと堪え、彼女が泣き止むまでずっとそばにいた。






『……瑞樹くんッ…グスッ
……私、……私っ………』






「うん…なに?」






『……亮にキス、された……』






俺はその言葉で怒りと焦りの両方が込み上げてきた。






「永橋、それ本当か?」






『……コクッ』






なんでだ…






なんでなんだよ…






なんでキスなんかしたんだよ…!






岩崎だってそんなことしたら、
関戸を悲しませるとか思わないのか……?






なんでだよ…






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