ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
それから数分後、スーパーの片隅には無事カレーのルーを買い終えた私と、きゃっきゃと笑う彼方。そしてそんな彼方を肩車して歩く青井くん、という姿があった。
「みくちゃー!たかい!おっきー!」
「そ、そっか…よかったねー…」
「……」
というのも、普段私を始め背の低い家族に囲まれている彼方は、初めて見た青井くんの大きさに感動。さらに大好きなビッグマンを重ねているらしく、すっかり懐いてしまっているから。
「ご、ごめんね青井くん…」
「いや、別にいいけど」
「びっぐまん、たかーい!おっきー!ぱぱよりおっきー!」
「…原さん、兄弟も小さいんだ?」
「うん…家族全員小さいから」
彼方はきゃっきゃとはしゃぎ、青井くんの頭にしがみつく。けれど彼はそんな彼方に怒ったりもすることなく、いつも通りの読めない表情で歩き続ける。