ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
青井くんたち男性陣をリビングに残し、私と綾奈ちゃんはキッチンに立つ。
「…美紅ちゃんの好みって、ああいう感じの子なんだねぇ」
「へ!?」
「背が高くて少し愛想ないけど優しそうで…」
「ちっ違う!!違うよ!!」
「そんな顔真っ赤にして否定されても」
「っ〜…」
お皿にごはんを盛りながらふふと笑う綾奈ちゃんに、否定しながらも顔は真っ赤に染まる。
別に、好みとかそういうのじゃない。違う。そう思いながら視線は、リビングにいる彼へ向く。
「びっぐまんー!たかいたかーい!」
「…たかいたかーい」
相変わらずあまり愛想はないものの、不慣れでも彼方の相手をしてくれている。日常のなかに彼がいる、その不思議な光景に、また小さく胸が鳴った。