ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
…すっきりしない。というのも、この気持ちの奥にあるモヤモヤした気持ちのせい。
続いてゲームを始める先輩たちと入れ替わるように、俺と速水さんは部屋の端にある長椅子に腰を下ろした。
「にしても青井って改めてこう目の前に立つと威圧感あるよなぁ」
「そうっすか」
「でかいもんなー、その身長でムキムキだったらと思うと恐ろしい」
改めてまじまじと俺を見る矢口さんに、他の先輩たちもうんうんと頷く。
「けど青井くらいになるとある程度背の高い女じゃないと付き合いづらいだろ」
「そうかぁ?好きなら身長なんて関係ないだろ。な!青井!」
「…そう思ってたんすけどね」
「へ?」
男の中でも割と背の高い方の俺。そうなると異性も自然と背の高めの人が寄ってくることが多くて、あまり小柄な人と接したことはなかった。
別に、付き合いに身長なんて関係ない。そう思う気持ちもある、けれど。
『やっ…!』
あの日のあんな拒む彼女を見たら、関係なくもない気がする。
…やっぱり、怖いんだろうか。思わずトレーで顔を押さえ込むくらい、怖いと感じさせてしまうんだろうかと。そう思うと、デリカシーなく触れていたこれまでの自分が何ともムカつく。