ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「…謝る必要ないでしょ。原さんが嫌だと思ったなら」
「違うの!嫌だったわけじゃなくて、その…」
けど、なんて言ったら伝わるだろう。私すらもまだ不確定なこの気持ち。
どこまで言っていいんだろう。わからなくて、戸惑って、どうしたらいいかわからなくなるけれど。
「つ、つかぬ事をお伺いしますが!」
「え?」
「あの…この前打ち合わせしてたクライアントさんとは、仲良いの…?」
「この前…って、あのコーヒー持ってきてくれた時の?」
小さく首を縦に振ると、彼はあー…と思い出しながら頷く。
「仲良いっていうか…まぁ、普通?何で?」
「なんか、すごく楽しそうに笑ってたから…」
「…俺が笑ってたらダメ?」
「え!?違うよ!そうじゃないんだけど、えーと…私前まで青井くんの笑顔って見たことなかったから、誰の前でも笑うんだと、思ったりして…。あ!でもあの、それがいけないというわけではなくてっ…」
しどろもどろに言葉を伝えれば、不意に瞳を覗き込むように近付く顔。その茶色い瞳には、驚く自分の顔が映り込む。