ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



「…謝る必要ないでしょ。原さんが嫌だと思ったなら」

「違うの!嫌だったわけじゃなくて、その…」



けど、なんて言ったら伝わるだろう。私すらもまだ不確定なこの気持ち。

どこまで言っていいんだろう。わからなくて、戸惑って、どうしたらいいかわからなくなるけれど。



「つ、つかぬ事をお伺いしますが!」

「え?」

「あの…この前打ち合わせしてたクライアントさんとは、仲良いの…?」

「この前…って、あのコーヒー持ってきてくれた時の?」



小さく首を縦に振ると、彼はあー…と思い出しながら頷く。



「仲良いっていうか…まぁ、普通?何で?」

「なんか、すごく楽しそうに笑ってたから…」

「…俺が笑ってたらダメ?」

「え!?違うよ!そうじゃないんだけど、えーと…私前まで青井くんの笑顔って見たことなかったから、誰の前でも笑うんだと、思ったりして…。あ!でもあの、それがいけないというわけではなくてっ…」



しどろもどろに言葉を伝えれば、不意に瞳を覗き込むように近付く顔。その茶色い瞳には、驚く自分の顔が映り込む。



< 174 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop