ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
…そういえば、すごい勢いで駆け込んできた。いつも落ち着いていて、気持ちを顔に出すこともあまりなくて…そんな彼が、必死な顔をして駆け付けてくれた。
あの日一方的に拒んでトレーぶつけて、そんな私にも彼は優しい。その優しさがまた、愛しさを感じさせるから。
「…あっあの、青井くん!」
一歩前を歩く青井くんに、後ろから彼の浴衣の袖をくいっと引っ張り引き止める。
「…何?」
「っ…ごめんなさい!!」
「別に…たかが旅館からここまで来ただけだし」
「そうじゃなくて、この前のことっ…」
彼の優しさに甘えるばかりじゃなくて、きちんと向き合わなきゃいけないと思うから。向けられたその瞳から、目をそらさずに気持ちを伝えるよ。