ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
同期の原さんは、俺と真逆な人。小柄で表情豊かで、よく笑う人だ。
俺が近付くとよく『ヒィ!』とか変な声をあげてて、オドオドしたり気まずそうな顔ばかりする。
意外と意地っ張りな面もあったりして、重い荷物も自分で持とうとしたりするし、泣き顔は見せないタイプ。
幼い見た目に反して甘いのが苦手で、だけど溺愛してる甥のためならと頑張ってみせる。
いずれも一緒の班になってから知ったことばかりだけれど、そういうところが可愛いと思う。
そう、可愛い。見た目も中身も。…ただし、正直言ってイラっとすることも度々ある。
「あ、青井ー」
「え?…矢口さん」
原さんに逃げられた後、一人廊下を歩いていると背後から声をかけたのは先輩であり自分の班のリーダーである矢口さん。
矢口さんはキョロキョロと辺りを見回しながらこちらへと寄ってくる。