ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



「美紅ちゃん、元気ないね」



その日の午後、いつも通り小さなブースの中で行われている打ち合わせ。相手である桐谷さんは、問いかけるように呟いた。



「そ、そうですか?いつも通りですよ」

「ううん、いつもとは全然違うでしょ」



普通を装い誤魔化すものの、よく見ているのか彼には分かり切っているらしく、苦笑いを浮かべてみせる。



「何かあった?」

「い、いえ、そんな大したことでは…」

「ふーん…」



穏やかな眼差しの桐谷さんは見透かすような瞳でこちらを見て、ふっと笑う。


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