ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



「う〜…うっ、ぐすっ、びっぐまん〜…」



一生懸命宥めるものの、彼方はぐすぐすと泣きじゃくる。



…ごめんね、彼方。

私だって、青井くんといたいよ。諦めたくなんてない。嫌われてるなんて思いたくない。だけど



『…やっぱり、ダメだ』



また思い出す一言に、ポロ…とこぼれた涙。



「…、…」



強がりだとか、どうせ、とかそんな気持ちを取り払い向き合った自分の気持ちに、ようやく涙がこぼれだす。

ダメだなんて言わないで。拒まないで。あのままキスしてくれたら、それだけで幸せだったのに。

あと数センチの小さな距離が、今でも忘れられないんだ。



「彼方も寂しいよね…、ごめん、ごめんねぇっ…」



うわああと泣き出す彼方に、一緒になって泣き出す私。そんな光景に丁度キッチンからこちらへ来たところだった綾奈ちゃんは驚き駆け寄る。



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