ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
「えっ!?二人ともどうしたの!?」
「うっ、ぐすっ…ままぁ〜っ、びっぐまんがねぇ、びっぐまんがぁ〜…」
「青井くんがぁ〜…」
「へ?え?ちょっととりあえず二人とも落ち着こう?」
よしよしと彼方を宥め抱っこしてあやす綾奈ちゃんに、隣で私はようやく落ち着きぐしゃぐしゃな顔の涙を拭う。
「よしよし、彼方。いい子いい子」
穏やかな声でそう彼方を泣き止ませる姿は、やっぱりお母さんだ。
「で、どうしたの?美紅ちゃんまで泣いたりして」
「…それが、その、」
「…最近元気がないことと、関係あるのかな」
私の沈む気持ちもわかっていたのだろう、右手で彼方を抱きしめ空いている左手は私の頭をなでる。その優しさに、一度は止まったはずの涙がまたポロポロとこぼれだした。
そして「話してごらん?」、そう言った綾奈ちゃんに甘えるように、私は先日の青井くんとの出来事を話した。