ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
ゆっくりと走り出す電車の窓から見えたのは、向けられた彼の大きな背中。
「青井くん…」
よく分からない彼。だけど降りる時まで、こうして守るように肩を抱いてくれた。
初めて触れた彼の感触が、離れずに絡みつく。洋服越しにも感じられた、少し冷たい大きな手。素っ気ないなかのその優しさに、甘いコーヒーに腹立つ気持ちもどこかへいってしまった。
口の中は、まだ甘い。
でもそれ以上に心の中はもっと甘く、不思議な音を響かせる。
こみ上げる、嬉しさとともに。